Just Keep Buying──買い続けるという最強の戦略

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① はじめに

今回は、ニック・マジューリ著『Just Keep Buying』をご紹介します。

早速ですが、この本は、株式投資だけでなく、債券・貯金・借金・不動産など、お金に関する幅広いテーマをカバーした一冊です。
ですが本記事では、その中でも特に中心的なメッセージである、「買い続ける(Just Keep Buying)」という投資戦略にフォーカスしてご紹介していきます。

「今は買い時なのか?」「タイミングを見極めるにはどうしたらいい?」「暴落を避けたい…」
そんな悩みを抱える方にこそ、役立つ考え方が詰まっています。

この「買い続ける」という戦略が、なぜ最適解なのか?なぜ買い続けることが重要なのか?
その理由をわかりやすく解説していきます。


② なぜ「買い続ける」ことが最適解なのか?

多くの人が「安く買って、高く売る」のが理想だと思っています。

でも、著者のニック・マジューリははっきり言います。

「市場のタイミングを完璧に読むことは、プロでも不可能だ」と。

過去の市場データを分析しても、底値で買って天井で売るような完璧なタイミング投資を継続的に成功させている人は、ほぼ存在しません。

一方で、市場は長期的には右肩上がりに成長しており、

「いつ買ったか」よりも「どれだけ投資し続けたか」

が投資の結果をを大きく左右する、ということが統計的に示されています。

さらに本書では、こんな興味深いシミュレーションが紹介されています。

  • 毎月コツコツ買い続けた人ドル(コスト平均法)

  • 完璧に底値を狙って買えた人(バイザディップ)

この2人を比べた場合(もちろん大きく儲けられる時期もあるが)、20年間のリターンに大差はなかったというのです。

さらに、どんなプロの投資家でも完璧に底値を予想するのは不可能です。なので「買い続ける」ことの方がずっと確実で、再現性が高い戦略だということ。

本書では、豊富なデータやグラフを使って、こうした事実を丁寧に解説しています。

さらに投資先としては、個別株ではなくインデックスファンドが推奨されています。

理由は明快です。アクティブ運用(プロや個人による個別株投資)は、長期的に市場平均を上回るのが極めて難しいから。

インデックス投資は、

  • 市場全体に分散できる

  • コストが安い

  • 誰でも簡単にできる(個別株を買うより)

という点で、初心者から上級者まで、広く有効な手段だとされています。


③ 一括投資 vs 積立投資:どちらが有利?

『Just Keep Buying』では、こんなデータも紹介されています。

7割以上のケースで、一括投資の方が積立投資より高いリターンを得ている。

つまり、多くの資金が手元にあるなら、すぐにまとめて投資する方が合理的ということです。

とはいえ、「いきなり全部投資するのは怖い…」というのが人間の心理。

そのため著者は、精神的に無理のない範囲で、機械的に買い続けることの重要性も強調しています。

最適解は「一括投資」だけれど、より安定した「積立投資」もまた優れた戦略だというわけです。


④ 投資だけじゃない。大事なのは「入金力」

投資で資産が増える要素は、

リターン × 投資額 × 期間

です。

高い利回りの商品を選んでも、投資額が少なければ増えるスピードは遅い

だからこそ、ニック・マジューリはこう強調します。

「何を買うかより、どれだけ買えるかが重要」

つまり、投資を成功させるには、「収入を増やす」「支出を減らす」「余剰資金を確保する」といった入金力の向上が必要不可欠なのです。

資産形成とは、お金を働かせるだけでなく、自分自身も働かせること。

この視点があるかどうかで、長期的な成果は大きく変わってきます。


⑤ 総まとめ

テーマ 著者の主張(要約)
投資するタイミング 市場の動きを予測するのはほぼ不可能。今すぐ始めるのが正解。
毎月買う vs 底値を狙う 結果はほとんど変わらない。買い続ける方が現実的で安定する。
一括投資と積立投資 一括の方が理論上は効率的。ただし、続けやすさを考えると積立も強力。
長期保有の力 安く買うことよりも、長く投資を続けることの方が成果につながる。
何に投資するか インデックス株式を中心に、債券や不動産なども視野に。
入金力の大切さ 何を買うかよりも、どれだけ買えるかが将来の差を生む。
シンプルな戦略 複雑なテクニックより、「買い続ける」ことが最も成功しやすい。

⑥ おわりに

SNSには「今が買い時!」「そろそろ暴落!」といった情報があふれています。

でも、投資で結果を出している人たち(ウォーレンバフェットなど)がやっていることは、とてもシンプル。

「Just Keep Buying(買い続ける)」

この一言に尽きます。

焦って売買を繰り返すより、人生という長いスパンで資産を育てるという視点を持つこと。

この本には、そんな投資マインドの大切さが詰まっています。

投資の仕方について迷っている方や、シンプルな考え方で長期的に資産を増やしたい方には、間違いなくおすすめできる一冊です。

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